ビール編(イギリス) (イギリス:世界のビール屋さん『びあ蔵』)
【イギリスのビール事情】
英国伝統のビールとして、エールとスタウトがあります。冬にも味わえるビールです。エール、スタウトはビールの分類上の名称で、ともに上面発酵という醸造法で作られたものです。発酵温度が高いので、上面発酵のビールの方が香味が強いという特徴があります。また、スタウト(黒ビール)は、麦芽を乾燥(焙燥)させてカラメルのような濃色の麦芽を作り、これを仕込んでビールにするため、色が黒くなります。
英国のスタウト(黒ビール)のなかでも一番有名なのは「ギネス」です。このギネスはクリーミーな泡とねっとりした喉ごし、重厚な味わいが特徴です。一般の缶入りよりも、瓶入りがオススメです。ちなみにあの「ギネスブック」はこの「ギネス」の子会社から出版されています。日本で販売されているエールの代表格は、“バス
ペールエール”です。18世紀から操業を続ける歴史ある会社のビールです。
最近では日本の大手メーカーも黒ビールの生産に力を入れているようです。ただし日本人向けに好まれるよう飲み易いように造られていると思います(主観ですが...)ので、国産の黒ビールに慣れた方は、英国産ビールを飲まれるのもオススメです。
イギリスでは、ビールの製造・販売シェアが全体の7割程度の大手ビールメーカーと、その他のシェアを分け合う約70社の中小ビール会社がある。大手とは、バス(Bass)、2003年世界第7位のスコティッシュ・クーレッジ(Scottish
Courage)、アライド・ドメック社、ウィットブレッド(Whitbread)、スコティッシュニューキャッスル(Scottish &
Newcastle)など。ギネス社はアイルランド共和国の会社であるが、現在は英国・ディアジオ社のビール部門の1つ。大手ビール会社は実際には外国企業にビール醸造の経営権を売却しており、大手最後の砦であったバス社とウィットブレッド社も2000年にはベルギーのインターブリューInterbrew(現・Inbev)社にそれを譲っている。中小ビール会社では、ロンドンのフュラーズ(Fuller's)、ノッティンガムのハーディーズアンドハンソンズ(Hardy's&Hanson's)、ハンプシャーのゲイルズ(Gale's)など、歴史が長く、醸造規模も大きく、広範囲な流通経路を持っている。