ビール編(中国) (中国:世界のビール屋さん『びあ蔵』)
【中国のビール事情】
一般にはあまり知られていないが、中国国内のビールメーカーは大小合わせて500社、ブランド数1500余りで、年間消費量は2001年で、2244万キロリットルと、アメリカの2348万キロリットルに次いで世界第2位に位置します。ちなみに第5位の日本の年間消費量は712万キロリットルです。2002年にはアメリカを抜きトップに、2003年には、その差を200万キロリットル以上広げ、2510万キロリットルで2年連続のトップです。
中国のビール製造は、清朝末期の1900年に、ハルピンに設立されたビール会社が最初と言われている。1949年中華人民共和国建国時に7〜8のビール会社があったが、1979年以降、全国的にビール熱が高まり、各都市毎にビール会社が設立された。
中国全土で有名なビールは、青島ビールですが、この広い国、圧倒的シェアを誇っているわけではありません。青島のある山東省でも、青島の隣の煙台というところに行くと煙台ビールが、上海に行くと三得利(サントリー)がシェアトップとか、上海の隣、蘇州に行くと、青島ビールが強く、南京に行くと、百威(バドワイザー)や金稜ビールの天下であったり、地方地方で、その地のビールがあるようです。また、この巨大市場を世界が黙って見ているわけはなく、「バドワイザー(百威)」「ハイネケン(海涅根)」「カールスバーグ(嘉士伯)」など世界ビールメーカーと、日本の大手4社が舞台を中国に移して競争を繰り広げられています。
中国ビールのラベル表示には特徴がある。原材料、アルコール度数の他に、原麦汁濃度が表示してある。「10°」とか「11°」とか表示してある。アルコール度数は「酒精度>3.4%」「酒精含量≧3.5%」などと表示されている。日本のアサヒ・スーパードライの影響を受けて、中国でもドライなビールが生産されている。「干」の文字がドライを意味する。
中国のビール生産会社は500社以上あるが、輸出を行っている大規模な会社が使用するビール麦は、オーストラリアやカナダなどからの輸入麦芽である。国内産では、国際基準に達していないらしい。といっても、西北、南西地区のビール会社は国産麦芽を使用している。山東省では95%以上、江蘇省では60%以上、北京市、河北省では80%以上が輸入麦芽を使用しているとのこと。